伊藤公象1974-2009 土の襞-多軟面体、褶曲、起土、焼凍土、木の肉・土の刃
展覧会案内
会期:平成21年4月18日(土曜日)~6月21日(日曜日)伊藤公象(1932年生まれ、笠間在住)は、土の持つ特性や自然現象を活かした、陶造形によるインスタレーションで広く知られています。
金沢の彫金の家に生まれた伊藤公象は、十代の頃に九谷焼の窯元に弟子入りし修業を重ねました。しかしほどなくして陶工芸を離れ、人の作為をできるだけ抑える独自の造形世界を模索します。素材を土に絞り込むようになった72年、妻である造形作家、伊藤知香とともに笠間に居を構え、「美術工房桑土舎」(現・伊藤アトリエ)を設立。74年には北関東美術展に意欲作《多軟面体ブロック》を出品します。粘土を薄くスライスしたものを即興的に手でまるめ、有機的なフォルムをそのままに焼成する「多軟面体」は、それまでの陶工芸とは一線を画す造形として、大きな反響を呼びました。その後78年にはインド・トリエンナーレに参加しゴールド・メダルを受賞、84年のヴェネツィア・ビエンナーレにおいては何百個という陶のパーツを床面に敷き詰める展示に注目が集まりました。活躍の場は一挙に世界へと広がり、現代美術の作家として国際舞台で高い評価を獲得していくのです。
本展は、作家本人が所蔵する主要作品を核に、美術館所蔵の各時代、シリーズの代表作を加えて、伊藤公象の全貌を紹介する回顧展です。人為を抑え、有機的な造形美を追求し続ける伊藤公象の作品の数々は、自然と人間との関係性が問われる21世紀の時代において、多くの示唆と根源的な問いを投げかけてくることでしょう。
木の肉・土の刃II
(1993)
愛知県美術館蔵
Photo:内田芳孝
木の肉・土の刃
(1991)
高松市美術館蔵
Photo:内田芳孝
土の襞
(2008)
常陽つくばビル
Photo:内田芳孝
シリーズ土の襞・踊る焼凍土
(2008)
作家蔵
Photo:柳場大
アルミナのエロス(白い固形は・・・)
(1984)
東京都現代美術館
Photo:内田芳孝
期間 | 平成21年4月18日(土曜日)~6月21日(日曜日) |
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開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで(入場は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日[ただし5月4日(月曜日)は開館、5月7日(木曜日)休館] |
主催 | 茨城県陶芸美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会 |
協賛 | ライオン、清水建設、大日本印刷 |
後援 | NHK水戸放送局、茨城新聞社 |
助成 | 財団法人 地域創造 |
観覧料 | 一般700[550]円/高大生500[400]円/小中生250[200]円 ※[ ]内は、20名以上の団体料金。 ※満70歳以上の方、障害者手帳・療育手帳をお持ちの方及び付き添いの方(1人まで)は無料。 ※土曜日は高校生以下無料。 |
お問い合わせ | 0296-70-0011 |
交通案内
電車 | JR常磐線で上野駅~友部駅(特急70分)友部駅から 「かさま観光周遊バス」(料金100円、定員36名)で20分。友部駅でJR水戸線に乗り換え笠間駅(9分)下車、笠間駅からタクシーを利用して5分。 |
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車 | 北関東自動車道、友部インターから10分、笠間西インターから15分。常磐自動車道、岩間インターから25分、水戸インターから30分。 |
駐車場 | 笠間芸術の森公園北駐車場(300台)をご利用ください。 ※陶炎祭(4月29日~5月5日)の期間中は駐車場が有料となりますが、展覧会をご覧いただく方には美術館受付で返金いたします。 |
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掲載日 令和3年7月1日
更新日 令和3年8月27日