青磁を極める 岡部嶺男展
展覧会案内
会期:平成20年7月12日(土曜日)~9月7日(日曜日)岡部嶺男(1919~1990)は、陶磁器の産地として知られる愛知県瀬戸に陶芸家・加藤唐九郎の長男として生まれ、幼い頃から陶磁器に親しみました。1940年に21歳で入営し、復員後、本格的に作陶活動を再開すると、織部・志野・黄瀬戸・灰釉・鉄釉など地元の伝統技法をもとに作域を広げていきます。なかでも器体の全面に縄文を施した織部や志野の作品は、極めて独自性が強く高い評価を得ました。その後、意欲的な作陶姿勢は青瓷(磁)※の研究へと向けられ、厳しく凛(りん)とした器形にしっとりとした艶のある不透明な釉調の<粉青瓷(ふんせいじ)>、透明感ある釉調と青緑の釉色が美しい<翠青瓷(すいせいじ)>、そして誰もが為し得なかった黄褐色の<窯変米色青瓷(ようへんべいしょくせいじ)>など、「嶺男青瓷」と呼ばれる独特の釉調や釉色の青瓷釉をまとう作品を生み出したのです。
本展覧会は、その独創性に富んだ作陶活動の全貌を没後はじめて回顧し、初期から最晩年までの作品約170点を展観します。古典の単なる模倣を超えて自らの美意識を作品に映し出すことに生涯をかけた岡部嶺男という偉大な陶芸家の軌跡をたどります。
《粉青瓷大砧》
昭和44年(1969)
《翠青瓷鼎》
昭和43年(1968)
《粉青瓷盌》
昭和42年頃(c.1967)
ポーラ美術館蔵
《窯変米色瓷双耳砧》
昭和49年(1974)
《織部丸壺》
昭和38年(1963)
《織部縄文瓶》
昭和39年(1964)
《紅志野縄文瓶》
昭和31年(1956)
《窯変嶺燦盌》
昭和62年(1987)
※広く一般的には「青磁」と綴りますが、作家によっては、素地が磁土のものを「青磁」、陶土のものを「青瓷」と区別しています。岡部は作品名を「瓷」と記しています。
期間 | 平成20年7月12日(土曜日)~9月7日(日曜日) |
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開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで(入場は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日 ※ただし、7月21日(海の日)は開館、翌22日(火曜日)休館。 |
主催 | 茨城県陶芸美術館/NHK水戸放送局/NHKプロモーション |
後援 | 茨城新聞社 |
企画制作 | NHKプラネット中部 |
観覧料 | 一般600[500]円/高大生450[350]円/小中生250[200]円 ※[ ]内は20名以上の団体料金。 ※満70歳以上の方、障害者手帳・療育手帳をお持ちの方及び付き添いの方(1人まで)は無料。 ※夏季休業期間中を除く土曜日は高校生以下無料。 |
お問い合わせ | 0296-70-0011 |
交通案内
電車 | JR常磐線で上野~友部駅(特急70分)友部駅から 「かさま観光周遊バス」(料金100円、定員36名)で20分。友部駅でJR水戸線に乗り換え笠間駅(9分)下車。笠間駅からタクシーを利用して5分。 |
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車 | 北関東自動車道、友部インターから10分、笠間西インターから15分。常磐自動車道、岩間インターから25分、水戸インターから30分。 |
駐車場 | 笠間芸術の森公園北駐車場(300台)をご利用ください。 |
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掲載日 令和3年7月1日
更新日 令和3年8月27日