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館長あいさつ

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    茨城県陶芸美術館館長
    金子賢治

ごあいさつ

日本には、縄文土器以来の一万六千年の手作りのモノづくりの歴史があります。世界最古のガラスの製法書(「正倉院文書」8世紀)があるかと思えば、邪馬台国の卑弥呼で有名な『魏志倭人伝』には卑弥呼が魏王に「倭錦」や「赤や青の絹織物」を献上したという記事(魏の正始4年、243年)があり、これが日本の工芸の最古の記録になります。

こうしたモノ作りの流れが埴輪の古墳時代を経て天平時代に大輪の花を咲かせ、平安~室町、近世の和風化・高度化・多様化を経て、江戸時代二百五十年の平和な時代に各藩の産業振興という形で、非常に高度な表現・技術を日本列島の隅々まで発展させました。これが明治に受け継がれ近代工芸の始まりとなったのである。そしてそれは大戦など幾多の困難を乗り越え現代にまで受け継がれている。

ここが欧米と違うところで、例えばイギリスでは産業革命以降、手作りのモノづくりを根絶やしにしつつ機械工業化していきました。ところが日本では長い手作りの伝統の流れに真横から欧米近代がドーンとぶつかってきて大きく揺さぶられながら一部は機械化していきましたが、他はそのまま生き残り現代にまで受け継がれていったのです。

そこから「無形文化財」思想が生まれてくるのですが、各地に残る手作りのモノづくりの表現、技術から近代芸術、現代芸術としてものづくりを位置付けようとする近代的な意味での作家が生まれてきました。それ全体を工芸家、そして陶芸分野では陶芸家と称します。
当館はこの近代的な意味での作家の陶芸、陶芸家の制作する陶芸作品を取り上げ様々な活動を行います。まず所蔵作品で日本の近代陶芸を歴史的に振り返る歴史展示コーナー。明治から現代までの代表的な作家、作品を年代とトピックスを追って並べています。その中に「笠間/茨城」の作家を位置付けが分かるように挿入して展示しています。

その際大切にしていることは、「食器は雑器、鑑賞陶器、オブジェはアート」という通念を打ち破ること。これは全くの誤解です。食器であろうがオブジェであろうが、作家が個性的な形を作ろうとしたものがその時代のアートです。形、大きさ、用途にとらわれません。出来上がった作品を見てどういう感想を持つかではなく、制作者がどういう意識を持って作ったかということが一番大事なことだと思います。そこに焦点を当てて見ていただくと、作家も大変嬉しいと思います。それさえ見ていただければ、あとは好き嫌い、良し悪し、自由に判断していただければいいと思います。

当然ながら、所蔵品展示のほかに様々な企画展、加えて「笠間/茨城」陶芸、それに益子陶芸をプラスして、その魅力を取り上げた企画展も開催しています。
リピーターとなり、そしてサポーターとなって、繁々とお訪ねください。

茨城県陶芸美術館
館長金子  賢治
 

掲載日 令和4年2月16日 更新日 令和4年2月20日
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